注1

【交通事故に合う確率】
 まことに申し訳ありませんが、この数字はウロ覚えの大変いい加減な数字です。自動車の免許取得時に講習で聞いたような記憶があるだけです。たしか、車で出かけると(往復)3000回に一回事故に合う可能性がある、と教わったような・・・・。ちなみに、その時の講義では、飛行機事故に合う確率は30万回に一回だったと・・・・

タミフル異常行動

 現在、タミフルの副作用の懸念が大きな社会問題となっています。結論を先に述べますと

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 まるで厚生労働省の発表のような冷たい文章になってしまいますが、現在のところ、どうしてもこのような表現になってしまいます。

 インフルエンザ感染児の異常行動の原因が、タミフルの副作用である可能性は0%ではありません。
 ただし、たとえタミフルを服用しなくても、インフルエンザ感染児は異常行動を起こす可能性があり、少なくとも発症後48時間は観察が必要です。

 もう少し、親身な言い方をすると、「私自身は、自分の娘がインフルエンザに感染したら、タミフルを飲ませます」(実際に昨年、飲ませました)
 当時、飲ませるにあたって、私が判断材料とした根拠を下記に羅列します。

マイナス要因

プラス要因

客観的事実

 以下は、さらに何の根拠も無い私の個人的な仮説です。
 タミフルを飲ませなくても、同様の確率で異常行動があるのは事実です。しかし、私の調べた範囲では、タミフルを服用していない患児が「ベランダから飛び降りる」「道路に飛び出す」などの、突飛な行動を取ったケースはありませんでした。この点からは、タミフルの関与が疑われます。しかし、それなら、タミフル服用患児の異常行動の確率は上がるはずです。
 また、異常行動を起こす時間帯は、高熱でグッタリして寝込んでいる時ではなく、熱が下がって症状が収まりかけた時に起こるらしいのです。
 ということは。タミフルの成分に問題があるのではなく、タミフル服用によって、急速に回復することが問題なのではないか、と。「インフルエンザウィルスによる脳への影響」プラス「急激な解熱による生体の変化」が、異常行動の突飛さを押し上げているのではないか、と。
 いずれにせよ、インフルエンザ発症から48時間、とくに回復期には注意が必要だと思われます。専門機関による因果関係の究明が待ち望まれます。

 以降は、私の個人的意見です。
 タミフルによる副作用の可能性のある児童は、表沙汰になっていないものもあるでしょう。仮に年間10人とします。子供に処方されるタミフルは年間100万〜200万人程度でしょうか。確率では10万分の1です。
 例えば。子供が熱を出しました。近くに病院がなく、車で行かねばなりません。しかし、車で移動する場合、事故に合う確率は3000分の1(注1)程度あります。致命的な事故の確率でいうと、やはり10万分の1程度でしょうか。家でじっとしていた方がよいのか・・・・。あるいは、飛行機や電車の事故で命を落とされる方もおられます。だからと言って、「飛行機には乗らない」「電車には乗らない」という方はあまりいません。無意識に、利便性と危険性のバランスを判断しているのだと思われます。
 保護者が判断しなければなりません。「インフルエンザの苦痛」「脳症・脳炎の危険性」「タミフルの副作用の可能性」。タミフルを飲ませるのか飲まさないのか。
 医療機関としては、タミフルの処方を断っていだだいた方が楽です。長々と説明する手間も省けますし、副作用の心配や、その時の責任問題も考えなくて済みます。別にタミフルを処方して病院が儲かるわけでもありません。(関係あるのは病院に入る処方箋料ですが、たいていの場合、他の薬を出すのでタミフルを出しても出さなくても同じです)
 しかし、苦しんでいる病人が目の前にいて、効く薬があって、その薬の副作用の確率があるかないか分からない10万分の1なら、説明の上、薬を出そうと考えるのです。私は、肺炎の患者には抗生剤を処方しますし、頭痛の患者には鎮痛剤を処方しますし、インフルエンザの患者にはタミフルを処方します。もちろん、患者同意のもと。
 抗生剤も、鎮痛剤も、降圧剤も、副作用のない薬はありません。以前、薬そのものには問題がなかったのに、その薬を包んでいるカプセルのゼラチン成分にアレルギーを起こした事例がありました。100%の安全はありません。もちろん100%に近づける努力は必要ですが、有用性と危険性のバランスは理性的に考えるべきです。
 最後にもう一度繰り返しますが、タミフルを飲ませても飲ませなくても、インフルエンザに感染した子供からは目を離さないで下さい。


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追記1:

H19.3.17、タミフルを服用せずに2階から飛び降りた15歳男子のインフルエンザ感染症例があったそうです。

H19.3.28、タミフルを服用したがインフルエンザには感染していなかった9歳女児の異常行動の報告がありました。

追記2:

H19.3.29、3/21タミフルを服用せずに2階から飛び降りた14歳男子のインフルエンザ感染症例が横浜市小児科医会より報告されました。

追記3: